「個性」を唱えながら「没個性」へと収束していく日本の教育

毎週、ある文章の題材を提示されて、それを読んで小レポートを書くという課題が出される授業があるのですが、そこで書いたレポートをせっかくなのでブログの方にも転載します。

課題の題材は「作文指導に見る個性と創造力のパラドックス」というものでした。

(このタイトルで検索すると出てきます)

 

 

今回の題材も大変興味深く思いました。日米を比較する形で、両国の「個性」や「創造力」に対する考え方や作文指導法の違いが述べられていましたが、一読した印象では生徒の作文力の向上や「個性」の発現により成功しているのは米国の方であるというふうに感じました。決められた書き方が提示されずに「自由に」「思った通りに」作文を書こう、という日本の教育スタイルはなるほど一見「個性」を尊重しているようにみえます。しかし、文章を書き慣れていない子どもたちにとって、この「自由」とは掴まる場所がないまま宙に放り出されたような状態であって、困惑するばかりになってしまいます。困惑した子供たちは「個性」すなわち独自性よりも、いかにも「いい子」っぽいありきたりな感想文に着地してしまうのでしょう。実際、僕も公立小学校に通っていた頃はまさにここで述べられているような作文指導に困惑した覚えがあり、面倒であると感じざるを得ず、常に無難にまとめて終わらせてきました。また、テーマも学校生活や行事に関連したものばかりだったので、工夫を凝らした作文にするのは難しかったように思います。題材の冒頭にも述べられているように日本における「個性」とはあくまで集団の輪に協調した上で発揮されるべきものと考えられているため、学校という集団生活を通じて感じたことや学んだことを書かせたいという教師側の意向があるのかもしれません。

 

日本において、「個性」というものが強調されるのは作文教育の他には就職活動だと思いますが、就活においてもやはり一定の枠組みの中で行動することが求められています。「個性」を強調しておきながら、「異端」を切り落としていくような就活における評価方法は実に日本的というより他はなく、結果としてスーツの色や髪型などがほとんど同じ就活生が並び、判を押したように同じようなアピールがずらずらと並ぶ日本の就活が出来上がっています。背景として、「個性は集団の中で生かされるべき」だと考える日本的価値観が就活に影響を及ぼしているのは間違いがないですが、作文をはじめとする子供の頃から積み重ねられてきた教育がそれを後押ししている側面もあるのかもしれません。一概に日本が悪く、米国が素晴らしいと評価するつもりもありませんが、「個性」を原動力とした「創造力」の発揮という一点で見れば日本の教育は米国に劣っていると言わざるを得ないでしょう。日本的価値観に基づいた教育は既存の枠組みの中で、自らが組織の歯車となって維持・拡大を目指していくことには適していますが、イノベーションを起こしたり力強く新興の組織を拡大させていったりすることは不向きでしょう。日本で力を持っている企業というのは伝統的な大企業であり、米国におけるGoogleAppleのように新しい枠組みを創出することで急速に力をつけるような企業が日本にはほとんどないということに繋がっていると思います。

 

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宇宙人・山田太郎の憂鬱② ~異世界版涼宮ハルヒの憂鬱SS~

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入学初日、この日の学校生活はその後は特筆すべき展開もなく平穏に終了した。

渡橋春日との唐突な出会い、そしてあの爆弾発言で充分すぎるほどの精神的ダメージを食らっているけどな。なんと表現すればいいのか、二字熟語でいえば動揺、戦慄、錯乱あたりが該当するか。ようやく落ち着きを取り戻してきつつはあるが。

下校中、後方から軽やかな女の声が聞こえてきた。

聞き覚えのある声。俺と同じヒューマノイド・インターフェース、朝岡涼子である。

 「山田くん。今日はお疲れ」

彼女は同じインターフェースとはいっても、俺とは違うタイプだ。情報操作という魔法みたいな力を使うことができる。そして、親玉である情報統合思念体と直接の通信ができるらしく、これまで様々な情報を俺に教えてくれた。

「渡橋さんの自己紹介には度肝を抜かれたと思うけど、別にわたしたちの正体を知っててああいうことを言ったわけじゃないから、安心してね。」

朝岡の艶やかな黒髪が小刻みに揺れる。ふんわりとした香水の匂いが漂っている。朝岡は美少女で人当りが良い。今日も入学初日ながら愛想を振りまいて、女子グループの輪を形成していた。

「それは分かるが、それにしても変わった女だな。情報統合思念体の監視対象にされるんだから、そんなものか。」

「ふふっ、そうね。でも、山田くんは渡橋さんのことよりも先に自分が高校生活に慣れることの方を優先した方が良いと思うよ。」

「朝岡にはかなわんが、国分寺とか中学の時からの知り合いもいるし大丈夫だよ。」

「もしものことがあったら、わたしに相談してね。わたしはあなたのサポート役だから。」

そう言って朝岡は俺に微笑みかけた。普通に見れば、朝岡は感じの良い美少女にしか見えないが、こいつは普通の人間ではない。もちろん、俺自身も普通の人間ではないのだが、俺には特殊能力はないため純地球産ではないということを除いて至って普通の人間なのだ。それに引き換え、朝岡は呪文じみた言葉を唱えて情報操作ができる。情報統合思念体と直接の通信もできる。春日の自己紹介のことも朝岡はそれほど驚いていない様子だった。俺には知らされていない裏事情も沢山知っているのだろう。こいつのことをどこまで信用して良いのか、俺は情報統合思念体によって造られ、彼らによって生かされているため、どのみち彼らのことを信用して生きていくより術はないのだが、時折俺は自らのおかれている状況や情報統合思念体に対して疑問をもってしまう。

情報統合思念体は何をしようとしているのか。

なぜ、俺は普通の人間としてではなくこのような形で生まれてきたのか。

情報統合思念体にとって、俺は単なる駒でしかなく都合が悪くなれば消されてしまうのではないか、とかな。

「どうしたの、山田くん。そんな怖い顔して?」

朝岡が問いかける。

朝岡の隣でこんなことを考えるのはまずかったかもしれない。彼らがどれほどのことをできるのか俺には分からない。思考を読める可能性だってある。

「いや、別に何でもないよ。これからの高校生活がちょっと不安になっただけ。」

「そうよね。あっ、そうだ。今日は久しぶりにわたしが晩御飯を作って持って行ってあげるわ。おでんでも一緒に食べましょ。」

俺は朝岡の提案に乗ることにした。

俺と朝岡は一緒のマンションに住んでいる。俺は708号室で朝岡が505号室だ。間取りはで3LDK、駅前のマンション。ここに俺は一人暮らしをしている。

高級マンションの部類に入ると思う。ここの家賃代は情報統合思念体が出してくれている。俺の普段の生活費も勝手に毎月振り込まれている。情報統合思念体によって造られた俺に家族は存在しなかった。

自室に戻りしばらくすると朝岡が鍋を抱えて来てくれた。

朝岡がわざわざ誘ってきたのは、渡橋春日関係で外では言えないような重要な話があるのかもしれないとも思ったが、基本は取りとめもないような話で終始した。

北高の情報について色々教えてくれたのはありがたかったかな。

ただ、一つ念を押すように言われたのが「自分の正体を春日に教えてはいけない」ということだった。

前々から、他人に自分の正体や情報統合思念体に関することを話してはいけないとしつこく言われていたし、もとより話そうとすると声が出ないようになっていたので物理的に話すことは不可能だったが、当然春日相手にもそのルールは適用されるということだった。

 

入学してから一週間、俺は春日と関わることはなくごく一般の男子生徒として過ごしていた。

先日の自己紹介のインパクトもあるが、仏頂面でどことなく不機嫌そうな春日に話しかける勇気もなかったし、春日のことは気にせず高校生活に慣れるのを優先すべきという朝岡のアドバイスもあったからな。

とはいっても、やはり春日のことは気になって仕方がない部分はあり、思わず視線を追いかけてしまったり、聞き耳を立ててしまう自分がいた。

春日は誰とも話そうとはしなかった。たまに、おっせかいな女子が春日に話しかけてはいるものの悉く冷たい反応で追い返していた。春日に最も積極的に接触を試みていたのは朝岡だった。春日は渡橋に接触することで、情報爆発とやらのデータを取りたいのかとも疑ったが、純粋に孤立しつつある春日を心配して集団の輪に入れてあげようとしているようにも見えた。はやくも朝岡は集団の輪の中心的存在となっており、また生活態度も良かったため委員長的気質が見受けられたからだ。

春日はその朝岡すらも追い返して、孤高を演じていた。先日の自己紹介と俺の観察する所の情報を併せて考えると、春日にとって最も重要なのは宇宙人とか未来人などの非日常的事象であり、日常の些事を話題にされても彼女にとってはどうでもよいとしか思えなかったのかもしれない。それにしても、あそこまで拒絶することもないだろうに。

 

俺の方はどうなっていたかと言えば、中学からの仲である国分寺に加えて、谷山という奴とよく喋るようになっていた。

俺は谷山が東中出身だということを思い出して、気がついたらこんなことを話しかけていた。

「お前って、確か東中出身だよな?」

「それがどうした?」

「ということは、中学は渡橋と一緒だったということか?」

「おう、そうだな。俺は中学三年間渡橋と同じクラスだったよ。」

谷山は突然笑みを浮かべてきた。なんだ、そのニマニマ笑いは。気持ち悪いぞ。

「ひょっとしてお前、渡橋に気があるのか?悪いことはいわん、やめとけ。薄々感づいているとは思うが、あいつは変人だ。常軌を逸している。」

これは訂正せねばなるまいな。俺は春日に恋愛感情のようなものを抱いているわけでは断じてない。

「別にそんなんじゃないよ。渡橋があんな自己紹介をしたかと思ったら、この一週間大人しくしているから気にかかっただけだ。ちょうど、俺の後ろの席でもあるからな。」

「谷山って、渡橋さんのことをよく知っているの?ちょっと僕にも色々教えて欲しいな。」

俺を押しのけて、国分寺が割って入ってきた。

谷山はわざとらしく咳き込み、たまたま三年間同じクラスだったからよく知っているだけなんだがな、と前置きした上で春日のエピソードを語り出した。

「自己紹介の件で察してはいると思うが、あいつの変人ぶりはあんなもんじゃない。中学の時はもっと酷かったな。有名なのは校庭落書き事件。」

「校庭に落書きしたくらいでそんな有名になっているのか?」

「たぶん、お前の想像とは規模が違うと思うぞ。石灰で白線を引く道具あるだろ?深夜の学校に忍び込んで、アレを使って校庭にデカデカと謎の絵文字みたいなものを書き込みやがった。」

「ああ、それ確か2ちゃんねるのまとめブログで見たことがあるよ。出来損ないのナスカの地上絵みたいなやつだろ?」

国分寺がいう。そんなに有名なのか?俺はこの三年間、まだ見ぬ春日のことを気にかけておきながらそんなことはサッパリ知らなかったぞ。

「ああ確かにネットで晒されてたな。それでこんなことをした犯人は誰だ、ということになったわけだが、あいつが白状したというわけだ。校長室に呼び出されて、きつく尋問されたみたいだが、こんなことをやった動機についてはとうとう白状しなかった。」

「渡橋がそんなことをした理由ねえ。あれか、不思議なものを追い求めてとかじゃないか?」

「その線がもっとも有力だな。一説によれば、異世界への扉を開こうとしたとか何かしらを召喚する魔法陣を描いたとか言われていたな。」

春日はなぜそこまでして「不思議なもの」や「非日常的なもの」に拘るのだろうか?気持ちはわからないでもないのだが、宇宙人たる俺の立場からすればそれほど面白いものでもない。ただ、未知なものに対してそこまで行動しようとする熱量はある種の感嘆を覚えなくもない。俺は生まれてから、いやこの地球上に存在した時からというべきだろうか、何かに一度も熱中したことは無かったな。俺の場合、造物主たる情報統合思念体の機嫌をうかがわなくてはならないという制約もあるけれども。春日がもっと別の方向でその行動力と熱意を注ぎ込めたなら素晴らしい気はするのだが、それは常識的な範疇に縛られた見方でみるとそうなるという話でしかないかもな。要するに、春日は特異であるからこそ情報爆発とやらを引き起こし、情報統合思念体にある種の畏怖を抱かせるまでの存在になったのかもしれない・・・

なんてことをつらつらと考えていたが、谷山はまだ春日の話を継続していた。

「でも、あいつモテるんだよな。なんてったて、顔が良いし、スポーツ万能で成績優秀。普通にしていれば、もの凄いハイスぺ女だからな。」

谷山はどこか楽しそうだ。

「最初のうちはとっかえひっかえだったな。あいつは告白を断るということをしないので、コクられては付き合い振って、の繰り返しだった。俺の知る限り、1週間あればよくもった方で、最短では5分で破局なんてのもあったな。振る時にはこう言うのさ、『あんたみたいな普通の人間の相手をしている暇はない』ってね。」

「ふうん、詳しいね。ひょっとして君も振られたんじゃないの?」

国分寺はニヤニヤしながら谷山に問い返す。谷山は慌てた様子で、ブンブン首を振りながら、

「いや、俺の話じゃねえよ。伝聞情報。まあ、とにかく渡橋に血迷った真似はしない方がいいぞ。これは俺の善意からならなる、最大限の忠告だ。」

ハナからそんな気は全然無いんだがな。

「渡橋なんかより、もっと良い奴は沢山いるぞ。このクラスでいえば、あいつだな。朝岡涼子。」

よりによって朝岡かよ。

「朝岡は俺の見立てだと一年の女子の中でもトップ3には確実に入るね。」

一年の女子を全員チェックでもしたのかよ。

「おうよ。AからDまでランク付けしてAランクの女子は顔と名前をバッチリ覚えたぜ。朝岡はその中でも特別、AAランクプラスだな。他のAランクの女子はというと・・・」

俺は黙ってその場を離れた。谷山に限っていえば、渡橋に相手にされない理由がよく分かるな。どうでも良い話だが。

 

そんなこんなで俺は新しい高校生活に少しづつ順応しつつあった。春日の方はというと、まだ比較的大人しくはしていたが、おかしな片鱗をいくつか観察することができた。

片鱗、その一。

曜日で髪型が変わる。

月曜日の春日はストレートのロングヘアを背中に垂らして登校してきた。火曜日はというと、ポニーテール姿。これが、まあ非の打ち所のないくらいに似合っていたのだが・・・おっと。水曜日はツインテール。木曜日は三つ編み。金曜日は頭の四か所を適当にまとめるというすこぶる奇妙な髪型へと変化する。

要するに、月曜をゼロとして曜日が進むごとに髪を結ぶ箇所を増やしているというわけだ。まじないの一種だったりするのかな。

片鱗、その二。

体育の授業は五組と六組合同で男女別に行われるのだが、着替えは女子が奇数クラス、男子が偶数クラスで行うことになっていた。つまり、体育の授業前になると男子はゾロゾロと六組に移動することになるのだが、春日はまだ男子が何人も五組に居残っている状況で堂々と着替えを始めやがった。周囲の男子はカボチャかナスくらいにしか思っていなかったようだな。この時は朝岡によって、俺たち男子は教室から叩き出されることになったわけだが、後でまた問題にもなった。当の春日は「そんなのあたしの勝手でしょ。何が悪いの?」と開き直るもんだから、収集がつかなくなっている。

片鱗、その三。

春日は休み時間になるといつも教室から姿を消している。俺はストーカーじゃないから、どこに行っているのかなんて知らんが、小耳に挟んだ情報によれば休み時間に意味もなく他クラスに出向いたり他学年の廊下をほっつき回っているということらしかった。

 

もちろん、こんなことは単なる片鱗に過ぎなかったということは言うまでもない。春日の凄まじさは後々俺自身が身をもって知ることになる。

 

ゴールデンウィークも過ぎた頃、長い休みで怠け切った体を酷使して坂道を登り切りようやく登校すると、前方に春日の姿を確認することができた。

今日はツインテール姿。ということは水曜だな、とか思いつつ休みのせいで失われた曜日感覚を取り戻さねばならないな、なんてことを考えながら教室に入る。

春日はとっくに教室についていたようで、涼しげな顔で着席していた。

俺は何を思ったのか、気がつくと渡橋に話しかけていた。

「曜日で髪型を変えるのは宇宙人対策か?」

春日はこちらを睨みつけてくる。あんたには関係ないでしょ、とか言われるのかな。適当に話しかけたつもりだったが、宇宙人である俺自身が気にかけているということは我ながら文字通り的を得た発言だと後で気づいた。

「いつ、気づいたの?」

「ちょっと前かな。」

「あっ、そう。」

春日が視線を斜め上前方に変えた。ここで会話終了するのかなとか思ったが、少し考えた素振りを見せるとまた視線を戻す。

「あたし、思うんだけど、曜日によって感じるイメージってそれぞれ異なる気がするのよね。」

会話が成立した。

「色でいうと月曜は黄色。火曜は赤で水曜は青で木曜は緑、金曜は金色で土曜は茶色、日曜は白よね。」

「なんとなく分かるような気もするが。ということは数字にすると月曜はゼロで、日曜は六なのか?」

「そういうことになるわね。」

「俺的には月曜が一って感じだけどな。」

「あんたの意見なんてどうでもいい。」

 渡橋はそういってまた黙ってしまった。そっぽを向かれるかと思ったが、むしろ俺の顔をまじまじと見つめてくる。俺の顔にゴミでもついているのか?きまりの悪さを感じつつ、次に移行する新しい話題について考えていると、

「あんた、やっぱり宇宙人なんじゃないの?」

なんてことを聞きやがる。初対面の時と合わせると2回目だぞ。勘が良すぎるのか、思考回路がイカれているのか、とりあえず否定しておかねばならないな。

「いいや」

と俺は答えると、担任教師岡田が鼻歌交じりに教室に入ってきたので、なし崩し的に会話は終了した。

 

これがきっかけだったのかもしれない。

俺と春日は毎朝のホームルーム前に会話をするのが日課となっていた。

思いがけなくも渡橋春日と接触を図れるようになったな。これは情報統合思念体によって課せられた任務だから、というわけでもなく純然たる俺の興味だが。ついに俺はカボチャ以上にはランクアップしたのかもしれない。

春日にとって俺はカボチャ以上の認識にはなったみたいだが、依然としてさしたる興味は無かったのだろうか、こんなことを聞かれた。

「あんた、名前何だっけ?」

おい、この期に及んでまだ覚えられてないのかよ。かく言う俺もクラスメート全員の名前のフルネームを言えって言われたら、そりゃ厳しいがそれにしてもだ。

山田太郎だが。」

「ああ、そうだったわよね。あまりにありきたりで欠伸が出るくらいにつまらない名前だから忘れていたわ。」

なんてことを言いやがる。

「あんた、あだ名とかないわけ?」

「特にそれらしいものはないな。普通に山田って呼ばれてる。」

「ますますつまらないわね。同じありきたりな名前でも、山田太郎じゃなくてジョン・スミスとかだったらかっこいいのに。」

「日本的感覚でいうとそうなるだけで、海外ではその評価は逆転しそうなもんだが。」

「よし、決めた!あんたのことは、これからジョンって呼ぶことにするわ。」

聞いちゃいねえ。この俺のルックスでジョンは可笑しいだろう。

「ねえ、キョン。あれ、ジョンだったわね。まあどっちでも似たようなもんよね。」

自分で決めといて何で間違えているんだ。というか、ジョンでもキョンでも不本意だが。

俺の叫びはむなしくも踏みにじられ、春日が適当につけたジョンというあだ名はモンゴル帝国の版図の広がりのように急速に浸透していくのであった。

 

~続く~

続きは後程、公開予定です。

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宇宙人・山田太郎の憂鬱① ~異世界版涼宮ハルヒの憂鬱SS~

「やれやれ」

俺は延々と続く坂道を登りながら、これから継続することになる強制ハイキングの暗澹たる日常を想像し、思わず言葉を漏らした。

俺はある任務を背負って、北高という小高い山の上にある高校に入学することになった。その任務とは同じくして北高に通うことになる「渡橋春日(かすが)」の観察である。

なぜ、渡橋春日という女子生徒を観察しなければならないのか?

それは地球時間でいうところの三年前、彼女が引き起こした出来事が原因である。

 

三年前。この地球上において他には類を見ない異常な情報フレアを観測した。弓状列島の一地域から噴出した情報爆発は瞬く間に地球上を覆いつくし、宇宙空間に放出した。この情報爆発の中心にいたのが渡橋春日である。

我々の知る限り、この宇宙には至る所に生命は存在している。しかし、意識を持ち知性と呼ぶべき思索能力を獲得するまでに進化した有機生命体の例は少ない。その数少ない知性を獲得した生命体の中でも我々はより進歩していた。その我々からして、渡橋春日により引き起こされた情報爆発の規模は観測史上最大であった。我々の解析によれば、その情報は意味をなさない単なるジャンク情報に過ぎなかったが、限られた情報しか扱えないはずの一人の人間により異常なまでの情報の奔流が発生した事態を重く見て、渡橋春日の観察を我々の任務とすることになったのである。

 

我々は有機生命体の形で存在する「旧種」と情報生命体の形で存在する「新種」の二つのタイプに分かれている。

もともと我々は「旧種」のみの形態で存在していた。我々の先祖は情報テクノロジーを生み出し、それを恐るべき速さで発展させていった。情報テクノロジーの発展は指数関数的な速度で進行し、創り上げられた「人工知能」は有機生命体であった我々の知能を凌駕するに至った。我々の先祖は、脳をスキャンニングした上で顕著な特徴をすべて捉え、脳をより強力なコンピューティング基盤に移し替えることに成功した。つまり、我々の先祖は有機生命体である我々の脳のすべての領域を解明した上で、その人の人格・記憶・技能・歴史をすべて取り込み精神をコンピュータ上にアップロードした。タンパク質をベースとしたメカニズムであるために情報の集積と伝達速度に絶対的な限界があった有機生命体の我々は、コンピューティング基盤へのアップロードによりその制約を取り除いたことで飛躍的な知性の拡大を実現するに至った。

こうして我々は従来の有機生命体のまま存在する「旧種」と情報生命体として存在する「新種」に分裂した。「新種」は新たな情報を求め、際限なく宇宙空間へ広がっていった。ついには宇宙のすみずみにまで分布するようになり、宇宙を覆う超高度な知性へと進化した。

進化した「新種」は自らを情報統合思念体と呼称するようになった。

 

渡橋春日の観察のため、情報統合思念体によって造られた対有機生命体コンタクト用ヒューマノイド・インターフェイス、それが俺、山田太郎である。

自己紹介が長くなってしまった。って、誰に自己紹介してるんだろうな。

知識として情報統合思念体のことや俺自身が今ここに存在している理由・目的は知っているのだが、実のところ俺は一般的な人間とほとんど変わらないといって良い。

正直、自分が対有機生命体コンタクト用ヒューマノイド・インターフェイスだなんて信じられないような気持ちでもいる。ただ、俺がヒューマノイドインターフェイスであることを指し示す証拠がいくつかあるためにそのことを信じざるを得ないかな、というのが現状である。例えば、俺は3年前に気づいた瞬間から情報統合思念体や自らの存在についての知識を知ってはいたが当然理解できずに発狂した記憶があるのだが、それ以前の記憶はまったくないことや、情報統合思念体に関する知識を一般人の誰かに話そうとすると、まるでロックされているように声が出なくなり口をパクパクさせるばかりになってしまうことなどがその証拠である。

実は俺以外にも同様のヒューマノイドインターフェイスが存在する。

そいつらがいなければ俺は発狂したまま首つってたかもしれん。発狂している俺をそいつらが救ってくれて、詳しく説明をしてくれたおかげで今の俺があると言って良い。俺以外のヒューマノイドインターフェイスには特殊能力を持つものもいる。その特殊能力とは情報操作のことだが、俺からすれば魔法みたいな力だ。なぜ、俺は同じヒューマノイドインターフェイスなのに特殊能力が無いのか、彼らに聞いてみたことがある。彼らはその理由を知ってそうにも見えたが、はぐらかされてしまった。

 

俺は渡橋春日の観察という任務を背負い、北高に入学することになったわけだが、正直なところ観察といっても何をすれば良いのかさっぱり分からん。

仲間のインターフェイスさんたちに尋ねると、特別なことはなにもする必要がないそうで、普通に学校生活を楽しめという指令が来た。観察ということで変にじろじろ見たりしたら、不審に思われるから止めておけという話だ。

仲間のインターフェイスのうち何人かは俺と同様に北高に忍び込むそうで、なにかあったらサポートしてくれるらしい。俺は普通に生活をしていれば良いのだが、なぜそれだけで十分なのかと言えば情報統合思念体の親玉は俺が五感から入手する情報をすべて取り込むことができるから、ということだった。

 

入学式の校長の無駄に長い話を適当に聞き流しながら、そんなこんなを回想して、いよいよ俺の高校生活は始まろうとしていた。

他の生徒は気楽で良いよな。俺は新しい学校生活云々よりもまだ見ぬ渡橋春日のことで脳内の九割型は埋まってしまっていた。

そう、俺はまだ渡橋春日を見たことがない。他のインターフェイスにせがんだが、写真すら見せてくれなかった。渡橋春日は俺と同じクラスなのかさえ知らない状態である。

この3年間、俺が何をしていたのかと言えば普通に中学校に通っていた。

渡橋春日の観察のために俺は生まれたのに、今まで一切彼女に会わせてくれなかったことで内心他のインターフェースや親玉の情報統合思念体にも不満はあったが、この3年間は俺自身が人間生活に慣れるために必要ということらしかった。

 

入学式が終了し、俺は自分が配属された1年5組の教室へと向かった。

教室に入って、自分の席を確認し着席した。

教室を見渡すと、何人か見知った顔がいる。一人は俺と同じ中学から進学した国分寺だ。もう一人は、俺と同じヒューマノイドインターフェイスである朝岡涼子である。

彼らの存在に安心しながら、渡橋春日について思いを巡らせていると、体育教師であるらしい担任の岡田が自己紹介を始め出した。ハンドボール部の顧問であるらしいのだが、明朗快活で女子受けしそうな爽やかな笑顔を浮かべていた。

その流れで生徒の方も自己紹介する運びとなった。

俺は山田だから後ろの方だ。今回は後ろから2番目であるようだった。これだけ後ろとなれば、他の人は集中力が欠けてくる頃だろうし、適当に済ませればよいだろうということで、無難に定型的な自己紹介に留め着席した。

俺の次、最後の順番のやつが立ち上がった。

俺は自分の出番が終わった解放感もあり、この時点で特に後ろの人に興味もなかったため、わざわざ振り返ることもせず適当に聞き流すつもりでいた。

後から思えば、もったいないことをしたものだ。

それは一生忘れることはないであろう、そいつとの出会いのシーンだった。

「東中出身、渡橋春日」

俺は何せいい加減に聞いていたので、耳から伝達されたこの情報を脳が正しく咀嚼するまで数秒を要した。

俺は網に引き揚げられた魚のように大慌てで振り返り、均整な目鼻立ちの美人を凝視した。次に来る言葉は、慌てる俺を嘲笑うかのように驚愕の沸点を超えていく代物だった。

「ただの人間には興味ありません。この中に宇宙人、未来人、異世界人、超能力者がいたら、あたしのところに来なさい。以上」

一瞬、教室は拍子木を打った後のような奇妙な静寂に包まれた。内容のあまりの奇想天外さに、反応の仕方が分からなかったからだろう。ツンとした表情で周囲を一瞥したかと思うと、渡橋春日は何事もなかったかのように無表情で着席した。

俺はといえば、渡橋春日に視線が釘付けだった。硬直した体は小刻みに震え、古びた椅子がカタカタと揺れた。表情の動かし方を忘れてしまったのだろうか、大口を開けたままに固定されたマヌケ面でやたら整った渡橋春日の顔を見つめていた。

「なによ、あんた。宇宙人なの?」

春日が俺に問いかけてきた。やたらカンがいいのか知らないが、いきなり核心をついてきやがった。宇宙人?確かに俺は宇宙人だが・・・

迫りくる驚愕の連続で、正気を保てなくなりそうだった。

「そんなわけないわよね。あんたみたいなマヌケ面の宇宙人がいるわけないし。」

春日はもう俺に興味を無くしたのか、投げやりに廊下の方を見つめた。

教室前方へとようやく体の向きを変え、俺は冷静な思考に努めた。

「よし、全員自己紹介終わったな。次は係決めだ。」

担任教師岡田がためらいがちにそう切り出すと、ようやく教室の空気は正常化したが、俺は迎え来る高校生活に戦慄を感じていた。

 

~続く~

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0歳選挙権という少子化対策への革命的選択肢

先日、「若者は選挙に行かないと損をするから、とにかく投票率を上げるために白票でもいいから選挙に行った方が良い」という話を書きました。

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もちろん若者の投票率は上がるに越したことはないのですが、やはり限界があります。

人口比の問題からいって、選挙の決定権を握るのはお年寄りであるという事実は変わりません。(もちろん、若者の投票率を上げることに意味はあるのですが)

 

進む一方の少子高齢化に歯止めをかける、これからの未来を生き抜く若者や子育て世代のための政治に変えていくには大きな変化が必要だと思います。

そこで思いついたのが「0歳選挙権」です。

若者の声を政治に反映させるには、若い世代の有権者の数を増やすしかないと考え「15歳選挙権」とか「10歳選挙権」とか考えていったのですが、最終的に「0歳選挙権」に行き着いたわけです。

「0歳選挙権」のことを最初に考えた時は、「いくら何でも極論かな」と思ったのですが、調べると真面目に議論されていることが分かりました。

www.sankei.com

otokitashun.com

よく考えると17歳以下に選挙権がない理由を論理的に説明するのは難しい気がします。

17歳以下の人達だって国民であり、政治により自分の生活が左右されるのに、政治に対する声を反映させることができないわけです。

人口構造上、高齢者優遇の政治になるのはある意味仕方ないことなのですが、高齢者優遇の政治でもっとも損を被る17歳以下の世代は黙って指を咥えていろ、ということになっているわけです。

 

17歳くらいならもう自分で判断できるでしょうが、10歳未満くらいだと政治への判断が出来ないでしょう。

調べてみると、「0歳選挙権」を主張している人達は「○○歳未満は親がその選挙権を代行する」という形を提案しているようでした。

こうすると、一人で何票も投じることができるためその分の不公平はあります。

しかし、世代によりどうしても格差が生じてしまう現在の政治を少しでも是正するためには、このくらいの思い切った改革が必要であると考えます。

「0歳選挙権」が実現すれば子育て世代の政治的影響力は格段と高まります。なにせ、2票・3票あるいはそれ以上を持っているわけです。

自然と子育て世代・将来世代に配慮した方向へ政治は変化するでしょう。

0歳選挙権は人口構造上どうしても不利になってしまう若者世代・子育て世代へのアファーマティブアクションのように捉えることもできるかもしれません。

 

0歳選挙権の何が良いかと言えば、「すべての国民の意見が政治に反映される」ということでしょう。

0歳選挙権は親が何票分も行使できてしまう点が不公平ではあるのですが、現状の制度でも「日本国民なのに年齢が若いというだけで選挙権が制限され、その結果過度に政治が高齢者優遇になり損をしてしまう」という大きな世代間の不公平が生じています。

どちらの不公平をより重大に感じるかで、意見が分かれるとは思います。

ただ、こういっては失礼ですが先行きの短い高齢者世代に有利な政策が続けば日本は緩やかな衰退を続けていくとしか思えません。

また、高齢者世代は大きな変化を嫌うという特徴があるので、高齢者世代の政治的影響力が強ければ時代に沿った(必要だけど)大胆な改革が実現できないという問題もあります。

例えば、大阪都構想をめぐる住民投票では世代ごとに大きく投票傾向が異なっていて、勝負を決したのは高齢者世代による反対票(大阪が都になるという大きな変化を嫌った人達の票)でした。

www.huffingtonpost.jp

f:id:todairyunen:20171022211731j:plain

 

大阪都構想の是非は書きませんが、高齢者の数の暴力で政治が決まってしまう「シルバー民主主義」は是正されなければならないと思います。

もちろん、「高齢者の選挙権の制限」などは論外なので、ならば若年層の選挙権を拡大し「すべての国民が選挙権を持つ」のが望ましいと思います。

0歳選挙権が実現できれば日本は大きく変わって行けると思いますね。

 

 

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憲法27条「勤労の義務」を巡る憲法改正論とベーシックインカム

政治の世界では憲法改正への流れが強まっており、巷では憲法9条を巡る改憲論が話題となっています。

このブログは政治的に右の人にも左の人にも見てもらいたいと思っていますし、僕の問題意識は「今ある社会問題や、移りゆく社会の変化にどう対応したら良いか。個人の生き方として、尊厳があり幸福な生き方はどのようなものか。」という所にあり、このブログはそうしたテーマに切り込もうという意欲を持ったものですので、その問題意識に則った改憲の話をしようと思います。

僕は法学徒ではありませんし、法律を学んだこともありません。あくまで素人が書いた記事であるということをご了承下さい。

 

憲法が規定する国民の三大義務は「教育の義務」「勤労の義務」「納税の義務」ですが、僕は以前から引っかかるものを感じていました。

なぜ、「勤労」が「義務」なんであろうか?と。

 

生きていくために働いて金銭を稼ぐということが必要ではあるのですが、「働く」ということは個人の自由意思によるものであって国家から「義務」だと言われる謂れはないのではないか?と。

例えば、専業主婦(専業主夫)は勤労の義務を果たしていないのか?そうした多様な生き方を国家は否定するのか、と思うわけです。

もちろん、「勤労」を「働いて賃金を稼ぐこと」という狭義の意味に捉えなければ、専業主婦は勤労をしていると言えるわけですが。

しかし、どこまでいけば「勤労」と見なせるのか。家事手伝いは「家事」に従事しているから勤労をしているけど、ニートは駄目なのか。家事手伝いとニートの違いは何なのか?というふうになります。

とにかく、勤労を「義務」として国家が定めているところが社会主義国っぽく感じられ、自由主義と民主主義に則った日本の憲法としてやや違和感があります。

納税さえすれば、必ずしも勤労を義務としなくても良いではないかと。

 

もちろん憲法は国家への規定であり、国民が遵守するというものではないため、「勤労の義務」を果たしていないからといって罰則を受けるとかそういうことはないのですが、やはり憲法に書かれているということは国家は勤労を国民の倫理規範としており、勤労を前提とした社会制度を作っているということになります。

 

現在の社会保障制度は、企業を通じて厚生年金を支払う、最低賃金制度で企業に従業員の生活を保障させる、失業したら失業保険がついてくるなど、「勤労」「労働」を前提とし企業に生活保障の義務を負わせるような形となっています。

どうしても働けないという場合は、生活保護ということになるのですが、生活保護の需給を受けるには厳しい審査基準をクリアしなければなりません。

「どうしても働けない」「財産がない」などということを証明しなければならないというわけです。

さらに、生活保護は捕捉率が低いということも指摘されています。つまり、実際に生活保護を受給すべき水準にある人の多くが生活保護を受けられない実態があるわけです。

憲法に書かれている「勤労の義務」は、努力義務みたいなものということではあるのですが、実態として企業で働くことが前提の制度ができあがっており、生活保護の厳しい審査基準を考えると事実上国民に「勤労」を強いているという見方ができるわけです。

 

憲法27条の「勤労の義務」を改正するという話はおそらくどの政党も言ってないと思うので、日本では保守・リベラルともにここに疑問を感じてはいないということになります。

「勤労」を前提とし、企業に個人の生活保障を負わせるという考え方は保守・リベラルともに一致した考え方ということになります。

特にリベラル派は労働者の立場にたって、最低賃金の上昇などを目指す運動をやっています。リベラル派は労働を前提とし、「企業が個人の生活保障を負う」という考え方をしているからこそ、最低賃金を引き上げることで国民の暮らしを改善しようとしているということになります。

しかし、最低賃金を引き上げることは本当に労働者のため、弱者のためになるのでしょうか?

下図を見て下さい。

中間賃金に対する最低賃金の割合を横軸、若年失業率を縦軸にとったものですが、最低賃金の上昇と失業率の増加に正の相関が見てとれます。

f:id:todairyunen:20171018182559g:plain

 画像引用元:

http://www5.cao.go.jp/j-j/wp-we/wp-we99/sekaihakusho-99-22.html

 

biz-journal.jp

この記事にもこう書いてあります。

最低賃金の引き上げは一見、貧困に苦しむ人々を助ける人道的な政策のように見える。しかし残念ながら実際には、貧しい人々を助けることはできない。むしろ職を見つけられなかったり失業したりする人が増える。

考えれば当たり前の話です。

共産党は「最低賃金を1500円に」と主張していますが、仮に最低賃金が1500円になった時のことを経営者視点で考えてみましょう。

一時間あたり1200円の利益を生むAさんという従業員がいたとします。

企業は時給1000円ならAさんを雇うかもしれません。しかし、最低賃金が1500円となればAさんを解雇せざるを得ないでしょう。

最低賃金の上昇は、生産性や能力が低い人を切り捨てる結果となります。

 

では、どうすれば良いのか?

解決策として提案するのがベーシックインカムです。

ベーシックインカムを導入することで、国民の生活保障を負わせる主体を「企業」から「国家」に変えてやろうというわけです。

憲法25条では

すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。

と書かれているわけですが、ベーシックインカムはお金を全国民に配ることでまさに憲法25条の理念を達成することができます。

憲法27条の「勤労の義務」を改正(勤労を義務から外す)し、「生活保障」の主体を企業から国家に移し、ベーシックインカムを導入すべきであると僕が考えている背景として、人工知能の発達があります。

アメリカの発明家、レイ・カーツワイルは「シンギュラリティ(技術的特異点)」を提唱し話題となりました。

カーツワイル氏によれば

技術的特異点人工知能は地球上で最も賢く最も有能な生命体としての人間を上回るように発生する。技術開発は、自ら考え、行動し、通常の人間には何が起こっているのか理解できないほど迅速に相互通信できるマシンによって引き継がる。マシンは、AI自らの手でそれぞれの新しい世代が迅速に開発される、自己改善サイクルの「暴走反応」に入る。これ以降、技術の進歩は、マシンの制御下におかれ、爆発的であるため、正確に(それゆえ「特異点」という)予測することはできない。

 引用元:

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AC%E3%82%A4%E3%83%BB%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%83%84%E3%83%AF%E3%82%A4%E3%83%AB

ということであり、AIが全人類の知性を超え、未来が予測不能になる日を2045年としています。

www.nikkei.com

また、「汎用人工知能」が2030年頃登場するという見解もあります。

汎用AIについて、『人工知能と経済の未来』から引用すると

「汎用AI」は、人間に可能な知的な振る舞いを一通りこなすことのできるAIです。もう少し正確にいうと、それは必ずしも人間と同じように振舞う必要はありません。汎用AIは、あらゆる課題・目的に対応できるようなAIです。

ということです。

この汎用AIが登場してしまえば、人間のほとんどの知的営みは人工知能で代用できるということになるので、多くの仕事において人間を必要とはしなくなるわけです。

当然のことながら、大規模な技術的失業が起き、「勤労」を前提とした社会のシステムは崩壊します。

現在、存在する人工知能は「特化型人工知能」です。

特化型人工知能は特定の作業を遂行するためのAIであり、自動運転や画像認識、音声認識、チャットボットなど様々な領域で存在しています。

近年ではディープラーニングの技術が登場したことで、機械が自動的に特徴を抽出し学習を重ねていくことができるようになったため特定分野では人間を凌駕できるようになりました。

グーグルの開発した囲碁AIが最強の囲碁棋士を破ったのは記憶に新しいでしょう。

汎用人工知能が登場しなかったとしても、様々な領域で特化型人工知能が使用されたらやはり大規模な技術的失業は避けられません。

現状思い浮かぶ中で最も大きな技術的失業を生みそうなのは自動運転ですが、自動運転の実用化は近い将来にほぼ確実に行われるでしょう。

情報技術の発達で、現在伸びている産業というのはあまり人を雇わない傾向にあります。フェイスブックが社員わずか13人のインスタグラムの開発会社を約10億ドル(当時の為替レートで810億円)で買収した事例などはそれを象徴するものでしょう。

www.nikkei.com

くどいようですが、もう近い将来には「勤労」を前提とした社会のシステム、「生活保障の主体を企業とするような今のやり方では崩壊すると言わざると得ません。

ベーシックインカムを導入し、国家がすべての人の最低限の生活を保障するようにしなければならないということはザッカーバーグ氏などIT界の巨人は皆言っていることであり、不可避の流れでしょう。

www.businessinsider.jp

今の政治は古い体質を引き継いでおり、この辺りの現実をほとんど視野に入れてないと僕は考えています。

特にリベラルがいつまでも古い考え方を抜け出し切れないでいるように見えます。

リベラルであるならもっと革新的で、技術が及ぼす社会の変化に敏感であるべきだと思います。ネットにおいては概して右派が強いのはリベラルの人がITやテクノロジーに弱い面があるからではないか、ということは津田大介さんが指摘しています。

www.huffingtonpost.jp

というわけで長くなりましたが、

『技術の発展による時代の変化を考え、ベーシックインカムを導入し、生活保障の主体を「企業」から「国家」に変えよう。「勤労は義務」とか「働かざるもの食うべからず」という考え方はもうやめよう。政治はもっと新しい技術に敏感になって、古い体質を変えていこう。』というのが本記事の要旨であり、僕からの提案です。

 

 

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ニートは田舎の自治体の議員に立候補すればそこそこの収入の職を得られるという説

もうすぐ衆議院選挙ですが、選挙に関連して以前考えていたことを思い出しました。

衆議院選挙などの国政選挙や首長選挙ともなれば当選するのは大変ですが、地方議員であれば案外簡単になることができます。

 

実は無投票で当選が決まってしまうケースも多くあります。

www.news-postseven.com

41道府県議選(4月3日告示)では無投票当選者の割合が、前回2011年統一選より大幅に増え、2割を超えると見られている。無投票当選とは、各選挙区で立候補者数が定数を上回らない事態を指す。立候補届に名前を書けばそのまま当選なのだ。

www.sankei.com

千葉県議選では18選挙区で「無投票当選」となっています。中には新人で無所属だけど、「無投票」で上手いこと当選できた人もいるようです。

 無投票だったのは県北東部や南部を中心とした18選挙区。このうち12選挙区は定数1の「1人区」で、残りの6選挙区は「2人区」だった。内訳は自民20人▽民主3人▽無所属1人-で、新人では自民の2人と無所属の1人が初当選を果たした。

 

 「ゼロからの選挙必勝マニュアル」などという本も出版されているようです。

この本は読んでないですが、このような本が出版されることから考えても地方議員なら案外簡単になれるようです。

何が言いたいのかといえば、「ニートでも地方議員ならなれるかも」ということです。

長年ニートをやっているような人は、履歴書の空白期間でケチつけられるため正社員になることは相当難しいでしょうし、かりになれたとしてブラック企業なら過酷な労働が待っている上に給料も高くありません。

ブラック企業で働くくらいならニートを続けるという方も多いでしょう。

それに比べれば、地方議員はある程度のやりがいがある上、そこまで激務だとは考えられませんし、そこそこの収入を貰えるわけです。

これは、目指してみる価値があるのではないでしょうか?

 

僕も人生に追い込まれたら地方議員を検討しようかと思います(笑)

(まだ、被選挙権の25歳にも達していませんが)

 

 

国政選挙では毎回大量に立候補させた上で華々しく全員落選する幸福実現党は地方議員を地道に増やしています。

togetter.com

例えば、幸福実現党の人が当選した小矢部市議選では定数16人で立候補者16人なので全員当選しています。

小矢部市議会議員選挙 | 選挙ドットコム

最近(2017年10月15日)に行われた北海道・遠軽町議会選挙でも定数16人で立候補者16人なので全員当選しており、このページを見ると16人中7人の肩書きが無職なので笑ってしまいます。

遠軽町議会議員選挙 | 選挙ドットコム

 

こんな感じで探していけば、上手いこと無投票で当選できる自治体は見つかると思います。

もし、この記事を見ている人の中でニートや無職の方や人生追い込まれた方などがいれば、地方議員というのを選択肢の一つとして検討してみて下さい!

 

 

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若者は白紙投票でもいいから選挙に行った方が良い理由

衆議院選挙が近づいてきましたので、選挙の話題でも。

毎回、選挙のたびに残念に思うことがあります。それは、「若者の投票率が低いこと」です。

「若者の投票率が低い」などということを問題に取り上げるのは、「最近の若者はなってない」と言いたがる中年層の人が多いイメージですが、僕は一応若者です笑(22歳)

なんで、こんなことを取り上げるのかと言えば端的に「若者の投票率が低いと自分が損をする」からです(笑)

「若者の投票率が低いと、若者向けの政策を打ち出しても当選できないので、政治家は高齢者を優遇するようになる」とはよく言われている話ですが、具体的にどのくらい不利になるのかの研究結果があるようです。

www.j-cast.com

 額に直すと、若年層の投票率が1%下がった場合、「将来へのツケ」とも言える国債が若年者1人あたり年額7万5300円分新たに発行され、「若年世代1人あたりの児童手当などの家族給付の額」と「高齢世代1人あたりの年金などの高齢者向け給付」の額の差が年に5万9800円拡大。若者よりも高齢者への給付が手厚くなる様子を浮き彫りにした。この2つを合計すると、若年層1人あたり年に13万5000円分の経済的不利益を受けるという計算になる。

わずか1%の投票率下落で、国債が年7万5300円新たに発行され、給付の世代間格差が年に5万9800円も拡大するそうです。

正直、ここまで大きいとは驚きました。

 

若者の投票率が低いというのは聞いたことがあるが、どのくらい低いのかはよくわからない方もいるかもしれないのでデータを貼っておきます。

このグラフを見れば一目瞭然でしょう。20代の投票率が全世代の中で投票率がダントツに低く、直近の衆院選である2014年の選挙で過去最低となる32.58%となっています。(2014年の衆院選投票率が低くなっているのは、他の世代も同じなので仕方ないことであるのですが)

f:id:todairyunen:20171017192203j:plain

画像出典↓

www.akaruisenkyo.or.jp

投票率が高くなっている平成21年(2009年)の選挙は、民主党政権が誕生した時の選挙です。長年継続した自民党政権から民主党政権交代するということで、選挙への関心が高まり投票率の上昇に繋がったのでしょう。

この時も20代の投票率は世代別で最低でしたが、上のグラフを見ると20代・30代の投票率が他の世代との比較で相対的に高まっているのが分かります。

しかし、今回の選挙は歴代の選挙と比べると盛り上がりに欠けるためにおそらく投票率はかなり低くなってしまうだろうと予想しています。

 

選挙に行かないと損をするということ、若者の投票率が低いことは分かって頂けたかと思いますが、「入れたい政党や候補者がいないために選挙に行かない」という方もいるかもしれません。

その場合の解決策として提案するのが、白票(白紙投票)でもいいから選挙に行け、ということです。

投票手順として

①受付(入場券を出す)

②選挙人名簿にのっている本人かどうかの確認を受ける(係の人がやってくれます)

③投票用紙をもらい、投票する

というステップになるのですが、②の段階を終えたところで、「あなたが投票をした」ということがデータとして記録されるわけです。

つまり、③の段階で投票用紙に候補者や政党の名前を書かず、白紙のまま投票箱にぶち込んだとしても、「あなたが投票をした」ことは記録され、投票率のデータに反映されるわけです。

つまり、白票でも良いから投票をすれば世代別の投票率のデータにも投票行動が反映され、(あなたが若者なら)若年層の投票率を押し上げることになります。

若年層の投票率が上がれば、実際に得をするようになるということは上に書いた通りです。

 

2009年の民主党政権への交代時に投票率が高くなったことや、実施されたばかりの18歳選挙権において10代の投票率が割と高くなったこと(前回の参院選で18歳の投票率が51.2%、19歳の投票率が39.2%)を考えると、ムードや風潮次第で投票率は高くなるわけです。

www.news24.jp

つまり、「投票に行かないと損をする」という意識の共有をなるべく多くの人に行い、選挙に行く風潮を作ることができれば良いのだと思います。

 

先程のデータで19歳の投票率が18歳と比べてかなり落ちている要因として考えられるのが、「住民票を移さず、一人暮らしをしている学生が投票できない」という問題です。

これについては不在者投票制度を利用することで、解決できるようです。

www.buzzfeed.com

www.soumu.go.jp

 

まあ、ちょっと面倒ですし、郵送の手続きで時間がかかるので今からでは間に合わないかもしれませんが・・・

 

とにかく、手元に投票所入場券を持っている人は選挙に行くことをお勧めします。

期日前投票の制度があるため、選挙期間中ならいつでも投票できます。

 

ぶっちゃけ、インターネットでの投票を可能にして欲しいですね。

そうすれば、若者の投票率が一瞬で上がりそうです。

 

「0歳選挙権」という案も考えてみました

todairyunen.hatenablog.com

 

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